当院における特殊設備・検査
コンピューター精子運動自動分析装置
顕微鏡を用いて精子を数え、運動率などを算出する一般精液検査と合わせ、「コンピューター精子運動自動分析装置(CASA)」を用いた客観的な精子の分析も行っています。ご夫婦にとってわかりやすい精液データの報告ができます。
X線下子宮卵管造影検査
当院ではX線下で卵管通過性の確認を行っています。子宮内腔の形態や左右それぞれの卵管通過性、卵管水腫の有無、卵管周囲癒着の有無を検査することができ、一般的な通水による確認ではわかりにくい情報が得られるため非常に有効です。また、高度生殖医療の反復不成功(着床障害)の原因が、X線下子宮卵管造影検査で発見されることもあります。
子宮鏡検査
3ミリ程度のカメラを入れて直接子宮の中を見て検査します。エコーではわからない内膜ポリープの有無や子宮筋腫による内膜の圧迫など、着床の環境を確認することができます。ポリープはその場で切除することもできます。予約制の検査のため、診察時に医師にご相談ください。
院内で迅速ホルモン測定
FSH、LH、エストロゲン、プロゲステロン、hCG(妊娠判定ホルモン)などのホルモン測定は、院内で短時間に行うことができます。ホルモン測定は、体外受精の方針決定、排卵の有無、卵胞成熟などを正確に診断するために役立ちます。
日帰り卵管鏡下卵管形成術(FT)

負担をかけずに卵管通過性を高める治療
卵管鏡下卵管形成術は、卵管の閉塞や狭窄により卵子・精子が通ることができない「卵管性不妊症」を対象とした内視鏡治療です。膣から子宮内にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、内蔵したバルーンを卵管に通して卵管通過性を回復させるのが目的です。合わせてバルーン内側を通す子宮鏡で、卵管内のヒダの構造を観察することもできます。 体への負担は少なく40分ほどで終わるため、日帰りで治療ができます。
日帰り卵管鏡下卵管形成術のメリット
- 基本的に1回の治療で済むことが多い
- 自然妊娠ができる
- 身体への負担が少ない
- 健康保険が適用になる
患者さまからよくいただく
ご質問を掲載しています
- Q卵管因子ならすべてFTの対象となりますか?
- A卵管采(卵管の腹膣側の先端)の部分で閉塞している場合は、日帰りFTではなく腹膣鏡下FTの適用となります。
また事前検査などでこの治療が受けられない場合もあります。
- Q麻酔はしますか?
- A日帰りFTは基本的に静脈麻酔で行います。腹膣鏡下FTは全身麻酔となります。
- Q手術時などに痛みはありますか?
- A個人差がありますが、手術時でもほとんど痛みがありません。検査より楽だとおっしゃられる方が多いです。
- Q妊娠率はどのくらいですか?
- A卵管の開通率は90%以上で、妊娠率は30~35%だといわれています。