子宮内膜スクラッチ
(先進医療技術名:子宮内膜擦過術)
着床前に専用の器具を使用して子宮内膜に小さな傷をつける方法です。子宮内膜に傷がつくと、内膜は修復の過程でサイトカインという物質をたくさん分泌します。サイトカインは組織の成長や接着を促進する物質で、子宮環境の改善と胚の着床を促進する効果があると考えられています。
■対象
反復不成功の方(2回以上胚移植を行っても臨床的妊娠がない)
■方法
胚移植を行う予定の前周期または胚移植周期の移植前に、専用器具を子宮頸管より挿入し、子宮の形状に沿って子宮内膜腔にゆっくりと進め、数回、回転させることによりスクラッチを行います。
チクリとする痛みがある場合があります。
翌周期または同一周期に胚移植を行います。
■費用
14,000円(非課税)
SEET(シート)
(先進医療技術名:子宮内膜刺激術)
SEETの治療準備が必要です。体外受精により作り出された受精卵を体外で5~6日間培養し、得られた胚盤胞は一旦凍結保存しておきます。この際に使用された培養液を、胚盤胞とは別の容器に封入した後に凍結保存しておきます。この培養液の中に、受精卵が成長する過程に排出される伝達物質が含まれています。
移植する周期(凍結融解周期)において、まず予め凍結しておいた培養液を子宮の中に注入します。その2~3日後に、凍結しておいた胚盤胞を1個移植します。
■対象
初回から実施可能
■期待できる効果
- 日本産婦人科学会は、多胎を防ぐ観点から、原則1個の胚移植を推奨しています。
SEET法の最大のメリットは、移植に用いる胚盤胞を1個にすることで、多胎を防ぐと同時に、妊娠率を大幅に向上させることにあります。
胚盤胞のみを移植するよりも妊娠率が向上することが期待できます。
■費用
30,000円(非課税)
二段階胚移植
(先進医療技術名:二段階胚移植術)
胚移植を行う同一月経周期内で、まず、初期胚を1個移植し、数日後に胚盤胞を1個移植する方法。
胚は子宮内膜にシグナルを送って働きかけ子宮内膜の着床環境を整えます。
■対象
- 反復不成功
(2回以上胚移植を行っても臨床的妊娠がない) - 過去にSEET法施行済
■期待できる効果
初期胚で子宮内膜の胚受容能を高め、その後妊娠確率の高い胚盤胞を移植することで、着床率・妊娠率が向上できます。
ただし、同一月経周期内でタイミングは違いますが、2個胚移植をすることになりますので、多胎妊娠のリスクが高くなります。
■費用
100,000円(非課税)