ZyMōt(ザイモート)
(先進医療技術名:
マイクロ流体技術を用いた精子選別)
従来の方法と比較して精子 DNA 損傷を極力抑えるようにして精子を選別する技術です。
男性因子が不妊の原因である確率は約50%とされています。
異常を持つ精子が胚発生と生児獲得に及ぼす影響とは?

精子によって卵子に運ばれる父親の遺伝情報=DNAは、母親のDNAと融合して子供のDNAを形成します。生児獲得率に影響する因子は卵子、精子、着床する子宮の状態が強く関連づけられています。もし、DNAに異常を持つ精子が卵子と受精してしまうとその後の胚発生と生児獲得の両方に負の影響を及ぼす可能性があります。DNA異常を持つ精子がART成績の低下を招かないよう治療においてはどのように最適な精子を選択するかが重要です。
■対象
顕微授精で移植可能胚が得られなかった、または胚移植で臨床的妊娠がない方
顕微授精のみ※採卵当日の精子が総運動精子数10万個以上(凍結精子は対象外)
■方法
DNA 損傷の無い精子を選別し、その精子を使用することで胚質の改善に繋がる可能性が指摘されています。マイクロ流体技術を用いた精子選別であるZyMōt スパームセパレーターは精子に損傷を与えることが懸念される化学物質の使用や遠心分離を行わずに運動性の高い機能的な精子を抽出する方法です。

■期待できる効果
- 顕微授精における胚発育や妊娠率・着床率・生産率の向上
- 流産率の低下
■デメリット
- 精子数が少ない場合(総運動精子数が10万個未満)には使用できない
■費用
30,000円(非課税)
※Zymotで精子を処理した場合は運動精子が回収できなくても費用が発生いたします。
(その場合、精子を通常通り洗浄遠心して顕微授精を行います)

上からの様子

横からの様子
よい精子が上に!
PICSI(ピクシー)
(先進医療技術名:
ヒアルロン酸を用いた
生理学的
精子選択術)
Physiologic intracytoplasmic sperm injectionの略で、ヒアルロン酸を用いて生理学的に精子を選別するという顕微授精のための新しい技術です。
通常の顕微授精では、運動性及び形態学的に良好な精子を選別しますが、精子が成熟しているかの選別はできません。成熟した精子はヒアルロン酸に結合する能力が高く、その精子はDNAの損傷や、染色体の異常が少ないことが報告されています。
■対象
特に下記の方にオススメです
- 顕微授精を行っても胚発生不良の方
- 胚移植後に反復して流産を認めた方
- 奇形精子の割合が高い方
- 良好胚盤胞が出来にくい方
■方法
顕微授精を行う際に使用するディッシュにヒアルロン酸の含まれる培養液を添加します。

■期待できる効果
- 胚発生率・臨床妊娠率・流産率の改善
ヒアルロン酸は卵子を覆っている細胞などにある成分で安全性が高く体内受精において卵子の透明帯等で自然に行われている選別に近い形で精子を選別することになります。卵にも負担なく行えます。
■費用
30,000円(非課税)
タイムラプス
(先進医療技術名:タイムラプス
撮像法による
受精卵・胚培養)
培養器に内蔵されたカメラによって、培養中の卵を自動撮影する技術。
培養器から取り出すことなく正確な評価が可能となります。
■対象
初回から実施可能
■期待できる効果
- 受精卵にとっての環境変化(pH・O2濃度・CO2濃度・温度変化など)を最小限に抑えることができる
- 受精卵の発育をリアルタイムで観察・比較できることにより、適切な時期に適切な受精卵の凍結判断が可能
- 受精判定がより正確になる(前核の確認)
■費用
30,000円(非課税)

培養1日目

培養2日目

培養4日目

培養5日目