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β2GPIネオセルフ抗体検査を2025年7月1日より先進医療Aとして実施開始

着床不全や不育症の原因の1つに「抗リン脂質抗体症候群」があります。これは血中に抗リン脂質抗体とよばれる自己抗体が存在し、さまざまな部位の血流を悪化させ、血栓ができやすいため血栓症や習慣流産などをきたす疾患です。抗リン脂質抗体症候群の検査で陰性であっても臨床的に抗リン脂質抗体症候群を疑う例が少なくありません。未知の抗リン脂質抗体があるのではないかということで神戸大と大阪大の研究グループによって発見されたのが「β2GPIネオセルフ抗体」です。

 当院は2023年2月にネオセルフ抗体検査を導入しました。そして、不育症(2回以上の胎嚢確認後の流産)の方に2025年7月1日より先進医療Aとして実施できるようになりました。先進医療とは、厚生労働大臣が認可した高度で先進的な医療技術のことです。公的医療保険ではまだ給付の対象とされていないものの、一定の安全性・有効性が見込まれる技術であり、将来的な保険導入を見据えて評価されている段階の医療です。検査では原因不明とされてきた方の約20%で陽性となり、抗凝固療法による治療効果が示唆されています。


検査は特に下記の方におススメです。

・不妊症の方(特に反復着床不全、子宮内膜症)

・不育症の方(反復流産、習慣流産)

・血栓症の方

上記以外にも検査が有効な可能性があります。

 

検査結果はいつわかる?

採血から結果判定まで3週間程度です。

 

血栓を予防する治療の詳細情報は?

血流障害や血栓予防の目的で、低用量アスピリン療法やヘパリン療法を実施することにより生児獲得率が上昇したという研究結果が出ています。

 

検査のリスク・副作用

特にありません。

 

費用 44,000円

※検査方法は採血です。

※自治体の不育症に関する治療や検査の助成金の対象です。(愛知県不育症検査費助成事業についてのHPは現在製作中だそうです)