「排卵誘発剤」と「黄体補充剤」の薬剤不足についてこれまでお伝えしてまいりました。今回は、「LHサージ製剤（トリガー）」の出荷制限のお知らせです。LHサージ製剤（トリガー）とは、タイミング・人工授精・採卵周期で排卵誘発により卵胞が発育した後、卵胞を成熟させ排卵を促す目的で使用する注射や点鼻薬のことです。

当院は薬剤を可能な範囲で多めにストックしており、現在はLHサージ製剤つきましても、通常通りの診療を行っていますが、数か月後には薬剤不足になる可能性がございます。不妊治療の保険適用となった2022年4月以降、需要増による薬剤不足や戦争の流通経路分断による薬剤不足・そして出荷停止など、不妊治療薬の供給が安定しません。今後、当院で治療をされる際は、現在手に入るお薬で最大限工夫をして、みなさまに現状で最善の治療法をご提案いたします。一周期も無駄にせず、一日も早く妊娠したいとの思いで治療を受けておられるみなさまに、このようなお願いをすることは大変心苦しいのですが、ご理解ご協力のほどよろしくお願い致します。みなさまの妊娠可能な期間には限りがあります。社会的要因で妊娠できなかったことのないよう、クリニックをあげて努力を致します。治療をご検討中の方は、早めにご相談をお願いいたします。

令和5年1月
院長　丸田英