子宮内膜は子宮の内側を覆う組織です。月経周期中、子宮内膜は妊娠の可能性に備えて肥厚します。妊娠が起きなかった場合は、子宮内膜が剥がれ、次の月経周期が始まります。胚は肥厚した子宮内膜に着床し、発育に必要な酸素と栄養を受け取ります。子宮内膜の状態が着床に適していない場合は、良好な胚であっても着床できない可能性があります。
胚が子宮に着床する可能性は、「着床の窓」と呼ばれるごく短い時期に高くなります。着床の窓のタイミングは、ほとんどの女性で予想できますが、反復着床不全の女性の30%では着床の窓にズレが認められることが分かっています(わずかに早いか遅い)。これが良好な胚が着床しない原因である場合もあります。ご自分の着床の窓を知り、精度の高いタイミングで胚を移植することで、体外受精での妊娠の成立の可能性が高まります。
ERA(エラ)
(先進医療技術名:
子宮内膜受容能検査1)
世界で唯一、12時間のズレを特定できる着床の窓検査です。
■対象
反復不成功の方(2回以上胚移植を行っても臨床的妊娠がない)
■方法
ホルモン補充周期中、子宮内膜が胚の着床に適していると予想される日に子宮内膜を採取し検査に提出します。
子宮内膜の採取を行うので少量の出血や軽い痛みを伴うことがあります。
採取自体は数分です。
■期待できる効果
- 着床の窓の結果から移植の時期を判断することが可能
■費用
150,000円(非課税)
別途ホルモン補充周期の薬剤費が約2万円かかります。
ERPeak℠ 検査 (イーアールピーク)
(先進医療技術名:
子宮内膜受容能検査2)
体外受精を行う場合、着床の可能性があるのは通常プロゲステロン投与を開始してから5日後です。これをP+5と呼び、通常、医師はこの日に胚移植を予定します。しかし、女性によっては 着床の窓 が P+4 や P+6 のように早くなったり遅くなったりすることがあります。
ERPeak℠ 検査は、子宮内膜が受容可能な時期かを判断するのをお手伝いします。
■対象
反復不成功の方(2回以上胚移植を行っても臨床的妊娠がない)
■期待できる効果
妊娠率の向上
■費用
150,000円(非課税)
別途ホルモン補充周期の薬剤費が約2万円かかります。
EMMA/ALICE検査(エマ・アリス)
(先進医療技術名:
子宮内細菌叢検査1)
EMMA検査とは
子宮内の細菌の割合を調べ、ラクトバチルス(乳酸桿菌)の割合が90%以上であるかを調べる検査です。子宮内にラクトバチルスが90%以上存在すると、妊娠率が高くなると考えられます。また、子宮内の細菌バランスを知ることができ、バランスが悪い場合は抗菌薬をご提案します。
ALICE検査とは
子宮内に慢性子宮内膜炎に関連する10種類の病原菌がいるかどうかを調べる検査です。
慢性子宮内膜炎は、子宮内膜の慢性的に持続する炎症のことで体外受精で複数回良好胚を子宮内に移植しても妊娠しない反復着床不全や流産を繰り返す習慣流産の既往をもつ女性の約40~60%に認めます。ほとんどの場合が子宮内に細菌やウィルス感染が起きているといわれています。ALICE検査を行うことで、この慢性子宮内膜炎の評価ができ仮に病原菌が検出された場合は適切な抗菌薬をご提案します。
■対象
- 反復不成功 (2回以上胚移植を行っても臨床的妊娠がない)
- 2回以上の流産経験がある方
- 細菌性腟症難治症例であると医師が診断した方
- 臨床的に慢性子宮内膜炎を疑う症例の方
■費用
77,000円(非課税)
子宮内フローラ検査
(先進医療技術名:
子宮内細菌叢検査2)
子宮内に存在する細菌叢(さいきんそう)のことを子宮内フローラと言います。子宮内膜のごく一部を採取して、次世代シークエンサーで解析することによりこれまで微量で検出できなかった子宮内の様々な細菌も検出することが可能となりました。なかでもラクトバチルス属の割合が多い人が妊娠しやすいことがわかってきました。検査の結果を参考にして抗菌剤治療または乳酸菌製剤治療を行います。
子宮内の善玉菌ラクトバチルスの割合が90%以上を占める女性と90%未満の女性に分けた妊娠率は、90%以上の女性は妊娠率 70.6%、90%未満の女性では、33.3%という結果でした。
つまり、子宮内はラクトバチルスの割合が多い状態が妊娠にとって好ましいことを示しています。
■対象
- 反復不成功
(2回以上胚移植を行っても臨床的妊娠がない) - 慢性子宮内膜炎疑いまたは難治性細菌性腟症
■検査の流れ
■費用
53,000円(非課税)
子宮内フローラ検査をして、自分の子宮内の環境を
知っておくことが妊活には重要です。
まず検査をして、その結果からラクトフェリンサプリを摂りましょう。